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ニューヨークを満喫する旅(12) メトロポリタン美術館の楽器コーナーはお宝の山

こんにちは。生涯挑戦!をモットーに新大人世代を応援する、こうちゃんです。

知る人ぞ知る、メトロポリタン美術館の楽器コーナーはそれこそお宝の山です。

数十億円ぐらいはするであろうイタリア、クレモナの名器と、

豪華な装飾で彩られた18世紀の鍵盤楽器が間近で見られるからです。

マニアックですが、音楽愛好家の方には魅力あふれる空間です。

絵画や彫刻に見飽きた方にも、新鮮な体験になるかもしれません。

弦楽器と鍵盤楽器が中心ですが、惚れ惚れする美しさに、しばし見とれてしまいました。

主なところを、ご紹介します。

■鍵盤楽器

・ハープシコード1

イギリス ロンドン 1744年

Jacob Kirkman  (イギリス、フランス  1710-1792)作

解説を見ると、鍵盤が2段になっているのは音量を変えるためのようです。

ハープシコードは、通常、自国の製造国の家具風の様式で装飾がされていました。

ここに見られるバーくるみのベニヤは、イギリス楽器の典型的なものです。

ハープシコードは弦を通すピックを使って音を出しますが、プレーヤーはタッチで音量をコントロールすることができません。

ピアノと競うために、ハープシコードの製作者たちは、プレイヤーがサウンドを変えることができるような、

もう1セットのストリングやその他の効果を取り入れました。

解説より

・ハープシコード2

イギリスのシックなものに続いて、鮮やかな赤が素敵なハープシコードがありました。

フランス、パリ 1754年

Jean Goermans 作 (オランダ、フランス 1703-1777)

ケースの装飾は、シワノズリすなわちヨーロッパで流行した中国趣味の美術様式の装飾を特徴として、

蓋の内部の紅い装飾は、中国の紅い漆をつかって、中国人が西洋の楽器を演奏している姿を描いたもの

解説より

赤い色の蓋の裏の装飾と、対比するようなシックな黒と金色の側板の装飾が美しいです。

クラヴィコード

バッハも愛用していたと、何かの本で読んだことがあるクラヴィコードです。

ドイツ 1763

Christian Knitting 作 (1707-1804)

クラヴィコードは、その優れた表現力で知られる弦楽器のキーボードです。それぞれのキーがレバーになっていて、その端部にあるタンジェントと呼ばれる真鍮の金具を付き上げることで弦にぶつかり音を出します。
ピアノと同じように、このシンプルなメカニズムで音量を変えることができますが、クラヴィコードは非常に小さな音量です。
ヨーロッパの知識人や作曲家たちとともに、教育や練習、作曲などを行うためのツールでした。

ヨーロッパの知識人や作曲家たちとともに、教育や練習、作曲などを行うための道具でした。

解説より

なるほど、音量が小さいから周りに気兼ねなく練習や、教育、作曲などに愛用された楽器だったのだと、

この解説を見て気づきました。

蓋に書かれた絵画が見事です。

■弦楽器

・チェロ「バッターピアテゴルスキー」

イタリア、クレモナ1714年

ストラディバリウス作

この楽器は「フォーマB」とう称されるより小型のチェロのストラディで現存する偉大のものの1つです。

オーナーだった2人の偉大なチェリストにちなんで名付けられました。

オランダのアレクサンドレバッタ (1816-1902)と

ロシア生まれのグレゴール・ピアティゴルスキー(1903-1976)です。

ピアティゴルスキーについては、生では聴いたことはないですが、

カザルスとルビンシュタインとのメンデルスゾーンのピアノトリオのCDを聴いたことがあります。

アレクサンドラバッタというチェリストは初耳でした。

調べたら、英語板のウィキにのみありました。

・ヴァイオリン ストラディ

イタリア、クレモナ 1711年製

ストラディバリウス アントニウス 

ニックネームが「アントニウス」といいます。

ヴァイオリンにお詳しいお友達がこの楽器を弾いて演奏している動画を教えてくれました。

 

美しい音色です(^_^)

これはストラディの黄金時代とよばれる1700-1720年の作です。

アウトラインはニコロ・アマティの「グランド・パターン」をもとにしています。

ストラディの表板と裏板のふくらみは比較的フラットで、音量を大きくする役目をはたしており、

19世紀の著名なソリストたちに好まれました。

解説より

・ヴァイオリン ストラディ2

イタリア、クレモナ 1711年製1693年製

ストラディバリウス作 グールド 

  

「グールド」はバロックスタイルの演奏用に修理された珍しいタイプです。

古楽器のヴァイオリンは現代の演奏家に使用されてますが、たいていは大きな音が出るように改修されるのがふつうです。

この楽器は17世紀後半に良くみられた短めのネックと指板になっています。ガット弦も張られています。

解説より

なるほど、確かに指板の長さが短いです。

・ハンダンゲル・フィドル

ハンダンゲル・フィドルは、ノルウェーの国民性が反映された民族楽器のフィドルで、

民族ダンスを踊る時によく用いられます。

4本の弦の他に共鳴用の4本の弦が指板の下にはられていて、音に豊かさを加えています。

解説より

少し風変わりなヴァイオリンがありました。

民族音楽用とわかりました。

・ビオラ

ドイツ 1660年製

ヤコブシュタイナー作

ヤコブシュタイナーはドイツヴァイオリンの父として知られています。

バッハやモーツァルトファミリーに愛用されました。

解説より

大きめのビオラです。シュタイナーのヴァイオリンは見たことありますが、ビオラは初めて見ました。

・ヴァイオリン ニコロ・アマティ

イタリア、クレモナ 1669

ニコロ・アマティ

アマティファミリーは16世紀中頃からのヴァイオリン製作を独占してました。

ニコロは名家としての卓越したメーカーであり、1630年の疫病流行後、

市内のヴァイオリン製造会社のほとんどを失い、そして、

この街のバイオリンメーカーのほぼすべてがペストに見舞われた後、

彼はAndrea GuarNeriやおそらくヤコプ・シュタイナー、

アントニオ・ストラディバリなどの新しい世代のヴァイオリン製作者を指導しました。

解説より

なるほど、ニコロ・アマティは多くのクレモナのヴァイオリン製作者を育てた先生だったわけですね。

・ヴァイオリン アンドレア・アマティ(1505-1578)

イタリア、クレモナ 1559

アンドレア・アマティ

  

このバイオリンの横板に印刷されているのは、ラテン語の二行詩で「この砦によってのみ宗教が存在し存続する」である。

このモットーと裏にある装飾の遺物は、1559年にスペインのフィリップ2世と

エリザベート・ド・ヴァロワの結婚を記念して作られたことを示唆しています。

これは、宗教改革中にプロテスタントに対抗して、2つのカトリック界を統合したものです。

解説より

先にでてきた、有名なニコロ・アマティとはどういう関係なのだろうと思いしらべてみました。

アンドレア・アマティ(Andrea Amati、1511年以前 – 1580年以前)は、初代。

師匠はガスパーロ・ディ・ベルトロッティ(ガスパロ・ダ・サロ)とされる。

アントニオ・アマティ(Antonio Amati、1538年? – 1595年)は、アンドレアの息子。

ジローラモ・アマティ(Girolamo Amati、1561年? – 1630年11月2日)は、アンドレアの息子、アントニオの弟。

アントニオ・ジローラモ兄弟は、長年にわたって共同で工房を経営した。

ニコロ・アマティ(Nicola Amati、1596年12月3日 – 1683年4月12日)は、ジローラモの息子。

ジローラモ・(ヒエロニムス)・アマティ(Girolamo Hieronymus Amati、1649年2月26日 – 1740年2月21日)は、

ニコラの息子、アンドレアの曾孫になる。
ウィキより引用

アンドレア・アマティは、ニコロ・アマティのおじいちゃんにあたるようです。

このアマティの美しさが、ストラディよりも印象に残っています。

それにしても、宗教改革の時代背景のなかで、

スペインの王様とエリザベートという女性との結婚式を記念して作られたものとは、

とても感慨深いものがあります。

楽器にまつわるエピソードなども知るとますます興味がわいてきます。

ご参考になれば幸いです。

 

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