こんにちは。生涯挑戦!をモットーに新大人世代を応援する、こうちゃんです。
小澤征爾さん指揮でマルタ・アルゲリッチさんのピアノ演奏に感動しました。久しぶりに地元の水戸芸術館でで聴いた生演奏です。
めったに出会えない素晴らしいソリストと指揮者、室内オケの組み合わせの演奏会での至福の時間を言葉で残しておきたく、記事にしました。
音楽がお好きな方は、これぞと思われた演奏会にはぜひライブでお聴きになることをおすすめします。
■演奏会について
今回は2019年5月26日(日)と5月28(火)の2回の同一プログラムの演奏回のうち、5月28(火)19:00開演の方に行きました。
人気のアーチストのため、演奏会があると気づいた時点では売り切れていたのですが、たまたまキャンセルされたチケットの情報を当日の2日前に得て即ゲットしました。
5月26日(日)の演奏会では、残念なことに小澤氏が体調不良とかで、指揮者なしのベートーベンだったそうです。
足を運んだ28日の演奏回では、小澤氏がお元気に指揮をされていました。
■演奏曲目と感じたこと
ハイドンの交響曲6番、ウェーベルンの弦楽のための5つの楽章作品5、メインはベートーベンのピアノ協奏曲2番でした。
ベートーベン以外は初めて耳にする曲でした。ハイドンも、ウェーベルンも指揮者なしで、コンミスの方がリードして、見事なアンサンブルでした。
ベートーベンのみ小澤さんが指揮しました。
このピアノ協奏曲は、1789年ごろから1795年ごろに作曲開始されたということですから、1770年生まれのベートーベンが20代の若い時の作品です。
1800年ごろ完成したといわれる6曲の初期弦楽四重奏曲作品18もベートーベンが30になるまでに作曲されているので、同様にフレッシュさ溢れる作風です。
曲想もはつらつとしたエネルギーが感じられる曲で、特に終楽章のロンドはアルゲリッチ氏の軽快で自由自在なリズムと対等に渡り合うオケとのかけあいが見事でした。
それにしてもマルタ・アルゲリッチさんの表現力の幅の広さには心を揺さぶられました。
激しいところは荒れ狂う大海原のようで、穏やかなところは静まり返って穏やかな海のようです。
もうすぐ78歳になるということですが、20代のベートーベンが作曲したこの曲を、自由自在に操つり、自己表現していました。
若いピアニストよりも、むしろ円熟した巨匠の方が若々しさの表現により生命を吹き込むのかもしれません。
オケの方はサイトウ・キネンの中でも少数精鋭のメンバーなので、指揮者なしのハイドンやウェーベルンでも美しいハーモニーを奏でており、特にハイドンでは弦楽器のパートトップのソロが、協奏曲のように散りばめられており、見事な演奏でした。
さらにベートーベンでは小澤氏の棒にかかると、魔法にかかったかのように本来持っているであろう力を最大限に引き出されて、出てくる音の響きがより洗練されてキレのあるアンサンブルも見事でした。
ソリストとオケとの一体感とシナジー効果を十分に感じられる感動の演奏でした。
管楽器の方々のレベルの高さも目を見張ります。アンコールでは珍しくホルンの方とアルゲリッチ氏のピアノで曲名はききもらしましたがシューマン?ぽく、見事な演奏でした。
会場の水戸芸術館にはなんども来ていますが、初めて経験する全員がスタンディングオベーションです。
■生演奏の醍醐味
この感動は生演奏でないと味わえないと思います。
なぜかというと、もちろん楽器の音が電気的に処理されずにダイレクトに響いてくることもありますが、会場の響き、演奏者の息遣い、耳だけでなく体や皮膚で感じる音圧です。
それと、その瞬間の感動を聴衆全体で共有できることです。
多くの人と同じタイミングで行動して同様に感動することを、一人の場合の「ランナーズハイ」に対して、「シンカーズハイ」と言うそうです。
ピアノ協奏曲が終了したところで、会場からわれんばかりの拍手で、いっせいにスタンディオベーションしたときは正にシンカーズハイ状態でした。
現代のピアノの巨匠の1人と言えるアーティストと指揮者、日本屈指の室内オケから醸し出されるベートーベンの上質な音楽に至福の時を味わいました。