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『5日間で「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』ひきたよしあき著の読書メモ

こんにちは。生涯挑戦!をモットーにシニア世代を応援する、こうちゃんです。

「文章を書くときや話す時にもっと表現力が豊かになりたい」というのは、ブログやSNSなどで発信する誰しもが望むところですね。

この本には、そのためにはどういう考え方で、どういう行動習慣をつけたらいいのかの具体的な方法が紹介されています。

参考になる話が多かったので、忘備録として、また少しでも実践して行ける様に読書メモにまとめました。

筆者は博報堂のスピーチライターというその道のプロなので、内容にも説得力があり、実践すれば効果がありそうです。

■5日間で「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本の全体構成と概要

この本では、理系の大学を卒業して人気企業に就職したのに、研究職ではなくて言葉で伝える能力が必要な広報部門に配属された山崎大を主人公とした物語として書かれています。

主人公の山崎大に、かつての大学特別講師として広告会社から講義を受けた縁から和田先生が5日間で「言葉の力を強くする」特訓していくという設定になっています。

5日間の特訓のテーマがこちらです:

・1日目:頭の中にあるものを知る
・2日目:考える習慣をつける
・3日目:論理的に発想する力をつける
・4日目:真に伝わる表現力を磨く
・5日目:言葉に説得力をもたせる

以下、黄色い枠内は引用です。

書くことや話すことに慣れていない段階の人から、ある程度慣れていても、もっと表現力や説得力を身に着けたい人まで、知っていると役に立つ内容です。以下それぞれのポイントを少し引用しながらまとめます。

1日目:頭の中にあるものを知る

まずは頭の中で考えていることを言語化することのポイントが3つあります。

1 30秒で10個の単語を思い出し声に出して言う  
2 形容詞を使わずに語る  
3 目の前のものを実況中継する

頭の中にあるものを知るというのは、できていると思っていても意外とできていない部分が多いことに気づきます。

30秒で10個ぐらいはすぐ言えそうと思いきや以外と言えないので、意識してトレーニングした方が良さそうです。

2つ目についても、普段の会話では形容詞を多用してしまうので、ちょっと意識したいです。例えば、「おいしい」だけで片付けないで、どう美味しいのかを、柑橘系の香りとか名詞を使って表現する事です。

そのコツとして:

聴覚、視覚、嗅覚、触覚などの五感を使って表現する

と良いそうです。

3つ目の実況中継はアナウンサーではないので、ハードル高そうですがやってみても面白そうです。単語から文章にする訓練になります。

2日目:考える習慣をつける

5つポイントがあります:

1 人の頭で考える  
2 自分の行動の理由を声に出す  
3 考えに制約をつける  
4 「○○という考え方」を連発する  
5 思いつきや情報を33案書き出す

考える習慣はあると思ってましたが、このようにもっと深堀りをして、実践するやり方があると知ったのは目からうろこでした。

人の頭で考えるとは、自分の頭だけでなくて、例えば、尊敬するあの人だったらどう考えるだろうかとか、社長だったらどう考えるだろうかとか、別の視点をとり入れるということです。 

考えの幅が広がりそうなので試してみたいものです。

考えに制約をつけることで、いろいろな考えに発散してしまうことを防いで、あるテーマについてより多面的な考えが出てきそうでいいと思いました。

思いつきや情報を33個書き出すのも一人ブレストとして面白い方法です。

3日目:論理的に発想する力をつける

ここでも5つポイントがあります:

1 「5つのWHY」で、深く考え本質に迫る
2 「ヘーゲルの弁証法」で、状況を客観的に整理する
3 「伝える相手」を明確に想像することで、話にリアリティをつける
4 「擬人化」することで、ものやことをイメージしやすくする
5 「バックキャスト」で、全体を俯瞰し、早く活動できるようにする

このなかでは、特に2のヘーゲルの弁証法とバックキャストが興味を引きました。

弁証法というと何やら難しそうですが、要は意見と反対意見を調整して、より高い次元の意見をつくるということです。

例として、遠足の話が紹介されています。チョコレートを持っていくのに賛成派と、長い時間楽しめず暑さに弱いと言う反対派が対立しています。

解決策としては、チュープ入りのチョコレートという両方に対応する次元の一つ高いレベルで答えを見つけています。

バックキャストとはゴールを設定してそこから逆算して全体を俯瞰するという考えかたで、話す内容や書く内容を構想するときにぜひ毎回とりいれたいやり方です。

4日目:真に伝わる表現力を磨く

ここでのポイントです:

・書くときも話すときも40文字を意識する
・「動かしたい動き」を具体的にたくさん入れる
・教科書の常識をすてる
・望遠レンズでズームするように伝えたいことをつくる
・主語を私たちにする

40文字というのは1つの例でと思われますが、いいたいことのポイントを絞って伝わりやすくするということですね。

この中で面白いと思ったのは、動かしたい動きをたくさん入れるというところとズームするように伝えるというところです。

形容詞をつかわないという話がありましたが、「動かしたい動き」では動詞をたくさん使うべしと言っています。

“「がんばれ!」という代わりに、「胸を張る、あごを上げて、空を見る。その姿勢こそ、あなたが高く、強く、自由に羽ばたくスタートラインです。失敗しても、胸を張れ、あごを上げろ、さみしくても、胸を張れ、大空を見ろ」”

なるほど、言いたいことがより伝わかりやすいです。

ズームするというのは、話のトピックについて、どこかをもっと詳細に表現するということで、たとえば、

「早春」と聞いて数ある風景の中から、「いまにも芽吹きそうな春の芽」にフォーカスをあてズームレンズで「芽」にグッと近づいた瞬間、「早春」というテーマがくっきり見えてくる。

これは単調になりがちな話や文章表現にちょっとしたアクセントが加わりそうなので、使ってみたい手法です。

5日目:言葉に説得力をもたせる

ここでの5つのポイントは:

・苦労や失敗談のネタを10個もつ
・数字で具体性をもたせる
・街に出て観察したことを言葉にする
・その日の話題を仕込む
・ありがとうを今の5倍使う

この話に説得力をもたせるというのは、私たちだれもがもっと向上したいと望むところではないでしょうか。

数字の話は他の本やブログ記事などでよく目にしますが、苦労や失敗談のネタを10個もっていつでも話せる状態にしておくというのはぜひ実践したいと思いました。

私たちは他の人が失敗した話というのは、自分もそうと感じると共感をよびますし、失敗から立ち直ったストーリーだと興味をもって聞きたくなります。

確かに、最初からこうすれば上手くいきますとノウハウだけを言うよりは、失敗をどう成功に結び付けたかを言う方がより説得力が感じられますね。

■5日間で「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本から行動に移したいポイント

全体の中で特に次の5つが印象に残ったので、少しでも行動につなげていきたいです。

・頭の中にあるものを知る:形容詞を使わずに語る。目の前のものを実況中継
・考える習慣をつける:考えに制約をつけて、思いつきや情報をできるだけ書き出す
・論理的に発想する力:ヘーゲルの弁証法を使ってみる。バックキャストを意識。
・真に伝わる表現力を磨く:「動かしたい動き」を動詞で表現し、ズームも取り入れる。
・言葉に説得力をもたせる:苦労や失敗談のネタを仕入れておく。

読む人によって、ここを実践したいというところは変わってくると思われますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。

■著者について

本書からの引用です:

ひきたよしあき
博報堂スピーチライター・クリエイティブプロデューサー。1984 年、早稲田大学法学部卒。学生時代より『早稲田文学』学生編集委員を務め、NHK「クイズ面白ゼミナール」では鈴木健二氏に師事し、クイズ制作で活躍。博報堂に入社後、CM プランナー、クリエイ
ティブプロデューサーとして、数々の CM を手がける。
現在は、政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活躍し、ズバ抜けた文才に、多くのエグゼクティブからの指名が殺到している。
また、明治大学をはじめ、多くの大学の講義では「就職後まで役に立つ」「一生ものの考える力が身につく」と学生からも支持を集める。「朝日小学生新聞」ではコラム“大勢の中のあなたへ”を寄稿。日本語の素晴らしさ、コミュニケーションの重要性を様々な角度か
らアプローチし、広い世代に伝えている。著書に『大勢の中のあなたへ』『ひきたよしあきの親塾』(ともに朝日学生新聞社)、『短くても伝わる文章のコツ』(かんき出版)などがある。

■まとめ

『5日間で「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』の読書メモを紹介しました。

読みっぱなし、まとめっぱなしでは進歩がないので、これはと思ったところは一つでも二つでも試してみたいと思います。

より詳しく中身を知りたいかたはぜひ本書を手に取ってみてください。

参考になれば嬉しいです。

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