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読書メモ:酒井雄哉著「今できることをやればいい」

こんにちは。生涯挑戦!をモットーに新大人世代を応援する、こうちゃんです。

著者は、平安時代の高僧最澄によって開かれた宗派で有名な天台宗の現代の偉いお坊さんです。

厳しい修行を2回も完遂された方の書かれた本なので、難しい内容かと思いきや、先輩のおじさんが話してくれるような語りかける口調で親しみやすい感じです。

日常のエピソードを交えて、充実した人生を生きるにはどういう考え方をしたらいいか、読み手にわかりやすく伝えてくれています。

本質をついて、共感の持てる内容が多く、若い人から年配の人までおすすめできる本です。

■心に響いたポイント

最近NHKのブラタモリの番組でちょうど比叡山延暦寺がテーマになっていました。

そこで印象に残った言葉が、最澄の自筆の書の中の言葉で「忘己利他」です。

ぼうこりたではなくて、「もうこりた」と読みます。

この本でも、「忘己利他」の話がでてきて、とても印象に残りました。

働くにしても、みんな自分の生活のために働いているのかもしれないけど、大きな目で見れば、神様仏様に生かされているわけだから、何のためにこの世の中に生まれてきたのかと言う一生懸命に考えて、どうしたら世の中の役に立てるのかということを考えていく必要があると思う。

というところです。

どうも、私たちは働くことを、自分の生活のためとか、自分の楽しみのためとか狭い範囲で捉えがちです。

大局的に見て、世の中や他の誰かのお役に立つために働いていて、その対価として収入も得ているという見方をしたいものです。

もう1つは、神様仏様を拝むことは、特に初詣などを含めて、日本人ならだれでもする行為ですが、著者は、お願い事をするために拝むのではないと言っています。

お願い事をするのではなくて、「今、自分を生かしてもらって、ありがとうございます。生かしていただいているんだから、世の中のためにこんなふうにがんばります」と話しかける

もう一つ、

自分はなんでこの世に生まれてきたのかを問う。「自分はこんなふうに世の中のために尽くしますから、どうぞお守りください。体が資本ですから、どうか健康にしてください」と祈ってみる。

どちらも、なるほどと感心しました。

■行動に移したいポイント

ほかにも、

・絆を大事にする

・絆は感謝や尊敬の意があるから生じる

・出会いは人生を変えてくれる

・環境次第で、出会う人も人生の流れも変わってくる

・みんな支えられている

・周りの人へ感謝

・悩みを乗り越えていくのは、命を与えられて、生かしていただいていることに対する御礼だと思ってみる

など、いつかどこかで見たり聞いたりしたことある内容ですが、あらためて目にすると頭ではわかっていても、行動がともなわないことに気付かされます。

そこで、ゆるいつながりでも強い絆でも人とのつながりを大事にして、毎日感謝の気持ちを忘れずに、少しでも利他の行動ができるようにしていきたいと思いました。

■著者について

ウィキペディアからの引用です。

酒井 雄哉(さかい ゆうさい、1926年(大正15年) – 2013年(平成25年) )は、天台宗の僧侶。比叡山延暦寺の千日回峰行を2度満行した行者として知られる。天台宗北嶺大行満大阿闍梨、大僧正、比叡山一山 飯室谷不動堂長寿院住職を務めた。

比叡山延暦寺の千日回峰行ってどんな行なのか調べてみました。

7年間にわたって行う。1〜3年目は年に100日、4〜5年目は年に200日行う。

無動寺で勤行のあと、深夜2時に出発。真言を唱えながら東塔、西塔、横川、日吉大社と260箇所で礼拝しながら、約30kmを平均6時間で巡拝する。

途中で行を続けられなくなったときは自害する。そのための「死出紐」と、短剣、埋葬料10万円を常時携行する。

想像を絶するような苦行です。これを2度も実施されたとは、どんな精神力の持ち主ななのだろうと驚きと尊敬の念がわきます。

■まとめ

「今出来ることをやればいい」という本が面白かったので、心に響いたところを紹介しました。

基本にあるのは「忘己利他」の精神です。

もともとは、女性の官僚で、冤罪で刑務所生活を余儀なくされた、村木厚子さんが、励みになった本として「一日一生」を紹介されていたのがきっかけです。

その著者である酒井雄哉(さかい ゆうさい)氏の本として最初に手にとって、読んだのがこの「今できることをやればいい」でした。

読みやすくて内容的にも考えさせられるところが多く、おすすめです。

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