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ビル・パーキンス著「Die with Zero」の読書メモ

こんにちは。生涯挑戦!をモットーにシニア世代を応援する、こうちゃんです。

人生100年時代といわれますが、コロナ禍など先が見えないリスクもある昨今、アラフィフやシニア世代にとって、この先どうやって充実した人生を送るか考えどころです。

そんな方におすすめしたい本がビル・パーキンス著「Die with Zero (邦題:ゼロで死ね、人生が豊になりすぎる究極のルール)」です。

筆者は老後に困らないようにお金をためなければ、と財産をつくることを考えるあまり、アリとキリギリスのアリのように一生懸命働いて、結局貴重な経験をする時間がなくなってしまうことの問題点を指摘し、その対策を提言しています。

この記事では、心に響いたところと、行動に移したいポイントを読書メモとしてまとめました。

■Die with Zeroの概要と心に響いたポイント

この本はもっと若い頃に知っておきたかった話です。もっとも発売は2020年7月ですが。

それでも年齢に関係なく、著者が提唱する人生を最適化するための方法が紹介されているので、若い方はもちろん、シニア世代でも大いに参考になります。

全体を通して著者が一貫して語っているメッセージは、

「いわゆる “黄金期 “のためにお金を稼いだり蓄えたりすることよりも、生涯忘れられない経験をすることに重きをおくべきではないですか?」

ここは全くそう思います。

ここで一般的に言われる黄金期は、リタイアしたあとの老後資金とよくいわれるように、たとえば65歳以降のことがイメージされています。

筆者の考える黄金期はそうではなくて、自分がより健康で必要なお金を使って一生記憶に残るような貴重な経験を十分に享受できる時期と言います。

それは人それぞれで、40代、50代、60代あるいは70代でもあり得るかもしれません。

そして、重要なのは、「健康」と「お金」と「時間」のバランスで、それが人生を最大限に楽しむための3つの基本だと言っています。

ここで、心に響いたポイントとして、著者が感じている課題とそれに対してどうすれば各人がそれぞれの人生を最適化できるのかの提言をいくつかまとめておきます。

<課題>
”・多くの人は、まるでゲームのようにお金を稼ぎ続け、富を最大化しようとし、その富から得られるものを最大化しようとはほとんど考えない。
・あまりにも多くの人が長い間、あるいは無期限に満足を先延ばしにしている。
・お金を手に入れるために何時間も費やし、そのお金を使い切らずに死んでしまうとしたら人生の貴重な時間をあまりにも無駄にしていることになる。
・老後のためにお金を貯めていると言っていた人が、実際には退職金を使っていない
・健康の衰えや興味の低下により、年齢を重ねるごとに行動範囲が狭くなり、消費率が一定しない。
・子供たちのために用意したお金をあなたが死ぬまで待つ必要はない。自分が死んでからでは遅いのです。
・お金の有用性、つまり使い勝手は、年齢とともに低下する。”

課題の中で、健康の衰えについては、たとえばスキーを楽しむのも
30代の時とくらべたら体力は大幅に落ちています。

シニアになった今スキーに行ったとしても、骨折しないかとか余計な心配をかかえてゆるやかな斜面を滑るので、楽しみは半減します。

子供たちへのお金については、自分が死ぬまでに子供たちが生きているかどうかというわからない。ということで、自分が長生きしてしまったらその時には子供はもういないという可能性もゼロではないわけです。

縁起でもないと思われるかもしれませんが、早めに子供や孫にある程度資産を分配することも必要かもしれません。

ここについては、日本では相続税の話もからんできます。それについてはこちらの記事で紹介しました。

続いて筆者の提言する解決策です。

<解決策>
”・積極的に、自分がしたいと思う人生経験について意味のある、記憶に残る経験という観点から考えてみること。
・タイムバケッティング」で一生の思い出に残る瞬間を最大限に増やす方法、
・「純資産曲線」に沿って稼いだお金を貴重な思い出に変える方法、
・「充実度曲線」と「個人利子率」を使って有意義な冒険に投資するか、延期するかの決断を下す方法
・自分の寿命を見て、自分のリスク許容度を考え何年分の貯蓄が必要かを計算してみる
・子供を第一に考えるということは、もっと早くから子供に与えるということ。”

ここで、「充実度曲線」とは:1年間の人生経験ポイント数を棒グラフに表示して、さらにそれが後々記憶に残るレベルに応じて「個人利子率」として数値化して加算していく方法です。

面白と思ったのは「タイムバケッティング」です。これは

今の年齢から想定寿命までの時間軸を描き、それを5年か10年の間隔に分けます。
例えば、30歳から40歳まで、あるいは70歳から75歳までとそれぞれバケツの絵を描き、一生のうちに絶対に経験しておきたいことは何かを考えてそれぞれに言葉で記入していく方法です。

こちらの上が「充実度曲線」「個人利子率」の例、下が「タイムバケッティング」の例です。

■行動に移したいポイント

行動に移したいポイントをあげると以下です。

・「タイムバケッティング」をつかって、一生のうちに絶対に経験しておきたいことをリスト化してみる。
・健康リスクと経済的リスクを考慮して、予算配分してみる。
・保険と子や孫への配分他余裕があれば寄付も考える。
・自分がしたいと思う人生経験について意味のある、記憶に残る経験という観点から考えてみる

「還暦は人生の折り返し地点である」というのは出口治明氏の言葉ですが、シニア世代にとってもまだこれからも充実した人生をおくるチャンスは沢山あります。

この本のなかでは、「タイムバケッティング」というやり方が特に面白いと思いました。

100のウィッシュリストという手法があります。自分のやりたいことを100個リストして書き出してみるという方法です。 

それに似ていますが、「タイムバケッティング」はそれを年齢ごとに分けて書くものとみることもできます。

毎日ルーチンワークで時を過ごしていたら、時間はあっというまに過ぎてしまって、死ぬ間際になってあれもしておけばよかった、これもしておけばよかったと後悔してしまいます。

自分が心からしたいと思うことをする人生、意味のある記憶に残る経験をするために何がしたいのかを主体的に考えてリスト化してみたいです。

■著者について

本書からの引用です:

ビル・パーキンスは、米国バージン諸島に拠点を置くコンサルティング・サービス会社、ブリサ・マックス・ホールディングスVIのCEO。ウォール街で修行した後、エネルギー·トレーダーとして財を成す。最近では、華やかなライフスタイル、賭け金の高いポーカーゲーム、数多くの慈善活動で知られている。毎日を精一杯生きている。

■まとめ

ビル・パーキンス著「Die with Zero (邦題:人生が豊になりすぎる究極のルール)」の読書メモを紹介しました。

今からでも遅くはないので、自分が心からしたいと思う人生、意味のある記憶に残る経験をおくるために「タイムバケッティング」を活用してリスト化してみてはいかがでしょうか?

参考になれば嬉しいです。

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