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「暮らしを変える書く力」一田憲子著の読書メモ

こんにちは。生涯挑戦!をモットーにシニア世代を応援する、こうちゃんです。

「ブログなど相手に伝える文章の表現力をつけたい」
「とにかく文章化のスキルをアップしたい。」というのはブログなどの文章を普段書く人の共通課題ではないでしょうか。

そんな人におすすめな「暮らしを変える書く力」の読書メモです。
いままで文章力についての本を読んでいますが、ノウハウ的な解説が多いなか、この本は筆者独自の視点から、文章自体が語りかけてくるような文章で印象に残りました。

この記事では、印象に残った主なポイントをシェアできるように、忘備録を兼ねてまとめました。

日記のような文章から、伝える文書にするにはどうしたらいいか気になる人におすすめです。

■「暮らしを変える書く力」の概要と特に1章を中心とした心に残ったポイント

この本では、5つの章から構成されています:

” 1章 書くってどういうこと
 2章 日常の言葉
 3章 「聞く」ことから「書く」ことが始まる
 4章 「言葉」による刺激
 5章 書くことで自分の内面を掘り起こす”

全体を通して筆者が伝えたいことが一番表れていると感じたのは次の一文です。(以降薄色の四角は引用の文章を示します。)

”文章を書くとは、いったん自分から離れなくてはいけません。人と出会ったり、何かを体験したり、感じたこと、考えたことを、自分を抜け出して見つめなおし、発見し、分析し、整え、統合する….”

人と出会ったり、体験したり、感じて、考えることはよくあります。でも「自分を抜け出して見つめなおし、発見、分析、整理、統合」というプロセスはなかなか意識しないとできません。

ここが人に伝える文章を書くのに必要なのだというところが、まず心に残りました。

では具体的にどういう風にそれを行なったらいいのかが気になります。

以下、伝える文章を書くための筆者のコメントで印象に残ったポイントを1章を中心にまとめて、それぞれ感じたところを言葉にしてみます。

それらをまとめると:

①どんな人にもひっかかる『共通フック』をつける
②すきまがある文章
③だれかに伝える文章は、ベクトルが逆で、自分から離れる作業
④「当たり前」の奥に潜む「当たり前でない」言葉を引きずり出す

この4つです。これだけみても本を読んでない方にとってはどういうことなの?と思うかもしれませんので少し補足します。

①どんな人にもひっかかる『共通フック』をつける

この前後の文も含めて引用すると、

”みんながそうそうと読んでもらうには、事実の羅列ではなくて、どんな人にもひっかかる『共通フック』をつける必要があります。”

共通フックとは面白い表現だなあと思います。ではどうするのかですが、こう表現されています。

”真実は1つでもそこに至る道はいろいろある”

”大事なのは今目の前にあることから、ふわりと視線を上げてみること。日常というものの上に、ぷかぷか浮かんでいる「真実」を見つけて言語化すれば、個人の体験が、みんなが手を伸ばせば届く言葉になる。今日のささいな体験が、あの人やこの人の生活ともつながる……。”

なるほど。1つのことでも、色々な視点からながめて感じたことをを言葉にすれば、表現の幅がぐんと広がりそうです。

さらに一つの事実や個人の体験を少し俯瞰してながめて、だれかとつながりそうな言葉をみつけてみることが、「共通フック」を探すことになります。

②すきまがある文章

「すきまがある文章」という表現も気になりました。どういうことなのか。

”一歩ひいて「すきま」がある文章をかく。
心動かされるのは「見えないものが見えてくる」瞬間だ。
「読んでよかった」と思える文章は、「その奥」に続きがある。「行間にその暮らしや、過ごしてきた時間がみえてくる……」そんな文章をかけるようになりたいなあと思っています。”

すきまとはどういくことかなと思いながら読み進めていくと、結局なるほど、「私は」を少なくして、自慢話になってしまうことを避けつつ、「個人体験をみんなで共有できる事実にする」ことだとわかりました。

「私は」という語を少なくすることは、他の本などで読んで承知していました。

ただ単に言葉を省くのではなくて、読み手と共有できる事実を加えて、それが読み手が入ってくる「すきま」になるという考え方がとても新鮮に感じました。 

③だれかに伝える文章は、ベクトルが逆で、自分から離れる作業

逆説的な言い方に見えますが、どういうことでしょう?筆者の言葉ではこう説明されています。

”自分が見つけたことを、みんなでシェアできる形に変換する。ブログやエッセイが自慢話に終わらないようにするには書き手の思いが強すぎる「私はこんなすばらしいことを見つけました」ではなくて、私の主張を消す作業が必要
私の主張ばかりを書くと、その文章は「書き手」のもので、「読み手」に手渡すことができない”

それではどうやったら、「読み手」に手渡したらいいのでしょうか?
その答えが、「『私』を『みんなの代表者』という役割で登場させる」
ということだそうです。

個人の思いを書く時に、みんなもそう思っている人が多いのではと想像して書くというのです。なるほど、こういう視点はありませんでした。

④「当たり前」の奥に潜む「当たり前でない」言葉を引きずり出す

これもあるあるで、どういうことかというと、「○○は素敵」とか「○○は素晴らしかった」とかよく使う言葉で形容してしまいがちです。

どう素敵だったのか、どんなふうに素晴らしかったのかをもっと書き手の言葉で表現しなさいと言っています。さらに筆者はこうのべています。

”特別な体験をしなくても、自分の暮らしを見直して、「いつもやっていること」が、自分にとってどういうことなのか。そう考え、分析することで、書くことを見つけ出す……。それは、誰も気にしないで通り過ぎていた石ころに光を当てるような作業です。”

なるほどそれができたら文章力がアップしそうですがそれほど簡単ではなさそうです。でも意識はしていきたいと思いました。

■筆者について

本書からの引用です。

一田憲子(いちだ のりこ) 1964年生まれ。編集者・ライター。女性誌などで活躍するほか、『暮らしのおへそ』『大人になったら、着たい服』(主婦と生活社)、『暮らしのまんなか』(扶桑社)では、企画から編集までを手がける。取材者と読者、両者の立場に立った、気づきのある文章で人気を博す。近著に『日常は5ミリずつの成長でできている』(大和書房)がある。自身のサイト「外の音、内の香」(https://ichidanoriko.com/)を主宰。

■まとめ

「暮らしを変える書く力」一田憲子著の読書メモを紹介しました。書く力を向上させて、より伝わる文章をめざしたい人にはおすすめの一冊です。

参考になれば嬉しいです。

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