こんにちは、kindle本「理系出身じいじのホットクックでらくらく離乳食」の著者、生涯挑戦!をモットーにシニア世代と子育て世代を応援する、こうちゃんです。
この本は詩人、絵本作家でもある谷川俊太郎により1971年に作られた詩と岡本よしろうの絵により2013年に発行された絵本です。
「生きる」という詩は小学校の国語の教科書にも掲載され、三善晃作曲の合唱曲にもなっています。
そんな長い間親しまれてきたとはつゆ知らず、2021年の秋にたまたま初めてこの詩を目にして心惹かれるものを感じました。
絵本になっていることを知り、手元に置いておきたくなって購入しました。
絵本と言っても小学生からシニア世代まで幅広い世代の方におすすめできる本です。
仕事や家庭での子育てなど日々時間に追われて息つく暇もないほど多忙で余裕が感じられない人に特におすすめです。心に潤いを与えてくれる本です。
■「生きる」の心に響いたポイント
心に響いたのは、
「いま生きているということ」
ことばに続く日常生活の何気ない一瞬を切り取った情景の表現
です。
自己実現や、収入アップ、欲しいものを手に入れること、地位や名誉を得てなにか成功を手にすること。
それが幸せと考える人もいるでしょう。
でもそういう次元を超えてなにげない日常の一瞬一瞬、今こうして生きていること自体に幸せを感じることもできます。
何かに気を取られていると見過ごしてしまいそうな何気ない日常の一瞬一瞬にも幸せがひそんでます。
その幸せに気づいて選択するのもそれを感じるのもあなた自身です。
というメッセージがこの短い詩の中に込められているように感じて何か大切なものに気づかされたように思えました。
谷川俊太郎の「<いま>の意識」というあとがきから一部引用します。
<いま>には、そこで何が起こっていても、誰が何をしていても、その短い時間の中に<永遠>をはらんで、いると逆説的に思わせる何かが潜んでいるのではないでしょうか。
谷川俊太郎 詩、岡本よしろう 絵 「生きる」より引用
マインドフルネスに通じるところがあります。マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を集中することです。
この「生きる」という詩は、ある人は小学生の時に皆で朗読し、ある人は合唱曲としてうたったということを言っていました。それほど何年も愛されてきている詩だったと知りました。
■「生きる」という詩の魅力
何気ない一瞬一瞬がひとりひとりにとってかけがえのない貴重な幸せの瞬間と結びついているところがこの詩の魅力ではないかと思います。
ある人にとっては、「木もれ陽がまぶしい」という言葉に過去の思い出深い情景を思い出すかもしれません。
宝石のような言葉が詩の中にちりばめられています。
個人的には、音楽やアートが好きなので、
「ヨハンシュトラウス」
という言葉に過去の幸せな日常生活のある情景が蘇ります。
家族と元旦の夜をウィーンフィルのニューイヤーコンサートを楽しみながら
穏やかに過ごした時間。
「ピカソ」という言葉では、
かつて大切な人と旅したルツェルンで訪れたピカソ美術館、スペインソフィア王妃美術館のゲルニカの絵、
バルセロナのピカソ美術館で見た膨大な作品の数々など。
読む人それぞれにとって、詩に出てくるそれぞれの言葉への色々な共感レベルがあると想像します。
どの言葉が心に響いたでしょうか。
■詩の引用
以下詩の部分の引用です。
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ谷川俊太郎 詩、岡本よしろう 絵 「生きる」より引用
■挿絵について
シニア世代にとっては懐かしさを感じる昭和レトロ風の絵になっています。
ネタバレになるので特に印象に残る絵の中から一部だけ引用します。
縁側のある風景、そこにはスイカの食べたあと、麦茶、そとで遊ぶ子供達、座敷で絵を描く女の子、など昭和の時代の夏休みの一瞬を切り取ってレトロな絵で、懐かしさを感じます。
■著者について
Wikiからと本書からの引用です。
谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう、1931年12月15日 – )は、日本の詩人、
翻訳家、絵本作家、脚本家。東京府(現在の東京都)出身。
現在の東京都立豊多摩高等学校[注 1]を卒業。愛称は「タニシュン」岡本よしろう
1973年山口県宇部市生まれ。 武蔵野美術大学油絵科卒業。絵画立体一等がインスタレーションまで、幅広く創作活動を行っている。絵本に『きょじんとみち』(ブックオフコーポレーション&フジテレビ Kids)、『100円たんけん』(中川ひろたか・文/くもん出版)。挿絵に『ぼくたちに翼があったころ』(タニ・シェ=トヴ・作樋口範子訳)『七十二歳の卒業制作』(田村せい子作)(共に福音館書店)などがある。「たくさんのふしぎ」には、当作品のほかに『まちちぼうけの生態学』(たくさんのふしぎ傑作集)、『おいかけっこの生態学』(2015年7月号)『すれ違いの生態学』(2017年7月号)(共に遠藤知二・文)がある。現在神奈川県在住。谷川俊太郎 詩、岡本よしろう 絵 「生きる」より引用
■こころがけたいポイント
健康でいられることが今「生きているということ」を感じる上で一番大事なので、以下の3つを心がけたいです。
・睡眠、運動、健康的な食事の3つに留意しすること。
・いまこの日常の瞬間瞬間を大事にすること。
・いまこの瞬間に意識を向けること
また忙しさにまぎれて、忘れそうになったら、この本を手に取って、この3つを思い出すことをこころがけたいです。
■まとめ
谷川 俊太郎作の詩「生きる」の岡本よしろう挿絵による絵本「生きる」を
紹介しました。この詩に出会えて良かったと思います。
参考になれば嬉しいです。
この本と併せて、今年読んだヴィクトール・フランクル著「それでも人生にイエスと言う」
もおすすめです。
極限状態にあっても生きることの大切さを謳った本です。