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「上田薫とリアルな絵画」展の印象

こんにちは、kindle本「理系出身じいじのホットクックでらくらく離乳食」の著者、生涯挑戦!をモットーにシニア世代と子育て世代を応援する、こうちゃんです。

茨城県近代美術館で2021年10月26日(火)〜2021年12月12日(日)の間開催されている「上田薫とリアルな絵画」展に行ってきたので、その様子と印象を紹介します。

■「上田薫とリアルな絵画」展と作品の印象

秋晴れに恵まれた土曜の午前中でしたが、入場者はそれほど多くなく、ゆっくり鑑賞できました。

会場の外と中の様子です。

油絵なのですがすごく写実的で本当に写真のようにリアルな質感で描かれていて驚きでした。
卵とスプーンの絵など、スプーンの金属光沢に反射する光やとろとろの半熟卵から流れ出る黄身の感じが超リアルです。

離れて見ると写真としか思えないのですが、近づいて良く見ると確かに油絵であることがわかり、超絶技巧の音楽のようです。

精巧に油絵で再現した作品の表現力に感心させられます。

フレッシュな緑と赤の色鮮やかなサラダは、シャキっとした食感まで連想させ思わず食べたくなるようです。

リアルに表現する技巧をつきつめて行った先に写真そのものを超えることができるのかと考えると、個人的にはどちらかと言うと、アーティストの個性を感じる絵が好みではあります。


上田薫氏以外18名のアーティストによるリアルな絵全56点が展示されていました。
その内上田薫氏の作品は35点です。

■他のアーティストの作品の例

同じようにリアルな絵でも、上田薫氏とはまた作風が異なるアーティストの絵も興味深い作品が多く展示されていました。

こちらの作品は山本大貴作「Standing Figure(feat. IKEUCHI Hiroto)」という作品です。

写真に究極に忠実というのでもなく、写真とイラストの中間のようでありながらかつリアルな表現になっているのは、鮮やかさを意図的に抑えた色調にしているためのように感じました。

それでも髪の毛一本一本が精密に描かれていて、種々の電子機器を身に着けているところもユニークな作品で、個人的に所有している指輪マウスをモデルの女性が指に着けていたところにも目が行って印象に残りました。

■上田薫について

以下公式ホームページの紹介文の引用です。

 上田薫(1928~ )は、日本におけるスーパーリアリズムの第一人者として広く知られる画家です。
1970年代に発表した「なま玉子」シリーズをはじめ、スプーンですくいとられたアイスクリームや、
シャボン玉、水の流れといった、身近なものの一瞬の姿をとらえてリアルに表現する作品によって、
高く評価されてきました。上田は、写真を利用して対象をクローズアップで描くことにより、
肉眼による認識をはるかに凌ぐ視覚世界を現出させます。そしてその作品は、見る者の知覚に揺さぶりをかけ、
リアルをめぐる思索へと私たちを誘うのです。また上田は、1985~93年にかけて茨城大学教授を務め、
茨城を制作拠点とした本県ゆかりの画家でもあります。
 本展では、上田の仕事を代表的なシリーズによって振り返るとともに、
現代の作家によるリアルな絵画表現をあわせて紹介します。光がものを照らし出す複雑な様相や、
人物表現における精神性や同時代性、見る者の意表を突くふしぎな世界など、彼らは各々の関心に基づいて、
独自のリアリティを追究しています。半世紀を超える上田の表現の軌跡をたどることは、
現代のアートシーンで隆盛する様々な作家たちのリアルな表現について考える上でも、
重要な意味を持つことでしょう。多彩な作品を通して、「リアル」をめぐる豊かな絵画表現の世界をお楽しみください。

■「上田薫とリアルな絵画」展基本情報

◆ 出品作家・作品数
作品数:56点(うち上田薫は35点)
出品作家:上田薫
三尾公三、金昌烈(キム・チャンヨル)、高松次郎、野田弘志、石井精一、木下晋、柳田昭、片小田栄治、磯江毅、
大畑稔浩、伊庭靖子、田邉光則、諏訪敦、橋爪彩(さい)、山本大貴(ひろき)、横山奈美、松川朋奈、橋本大輔(生年順)全19名
◆会期 2021年10月26日(火)〜2021年12月12日(日)
会場 茨城県近代美術館 Google Map
住所 茨城県水戸市千波町東久保666-1
[公式アクセスMAP]
時間 9:30〜17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日 
・月曜日が祝日の場合は、翌日休館 ※水戸の梅祭り期間中とゴールデンウィークは無休
・年末年始(12月29日~1月1日)
・臨時休館日(展示替え等の館内作業等のため)
観覧料 一般 870円(730円)
満70歳以上 430円(360円)
高大生 610円(490円)
小中生 370円(240円)
※( )内は20名以上の団体料金
※土曜日は高校生以下無料
※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等を持参の方は無料
※11月13日(土)茨城県民の日はすべての方が入場無料
※12月4日(土)は満70才以上の方は入場無料
WEB予約あり:詳細は茨城県近代美術館公式サイトをご確認ください
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/

■まとめ

茨城県近代美術館で2021年10月26日(火)〜2021年12月12日(日)の間開催されている「上田薫とリアルな絵画」展について印象をまとめました。

参考になれば嬉しいです。

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