こんにちは。生涯挑戦!をモットーに新大人世代を応援する、こうちゃんです。
スコット・ペイジ著、『「多様な意見」はなぜ正しいのか』の読書メモその3です。
今回は、筆者が多様性が問題解決に発揮されるための4つの条件を以下のように述べています。
・その1:問題が複雑
・その2:すべてのソルバーがある程度賢い(微積分条件)
・その3:グローバル・オプティマム以外のすべてのローカル・オプティマムの解が、最低
1人にとってのローカル・オプティマムの解でない(多様性条件)
・その4:大勢のソルバー候補からかなりの大きさの集団を選ぶこと
つまり、多様性がいつでも問題解決につながるわけではなく条件があるということです。
集団で複雑な問題がうまく解決したとき、よくひとことで、
「みんなのベクトルがひとつの方向を向いたから」と表現することがあります。
実際にはそんな単純な一言では表現され得ないもっと複雑な要素が絡み合っていて、
それらを筆者は4つの条件にあらわしたものと捉えました。
これら条件が当てはまりそうな何か具体例がないだろうかと自分なりに考えてみました、
問題が複雑である必要があるので、もはやサラダの例は使えません(笑)。
そこで頭に浮かんだのが、事故の後奇跡的に乗組員全員が無事に地球に帰還した
アポロ13号の話です。
■アポロ13号にみる多様性の力
1970年4月、月への飛行中に酸素タンク爆発という致命的な事故に遭遇しながらも、
3名の乗組員が無事、地球へ戻った実話として知られています。
トムハンクスが出演した映画を観ましたが、非常に印象に残る映画の1つです。
この話が4つの条件にあてはめられるかを観てみます。
その1問題が複雑⇨これは間違いないです。
その2すべてのソルバーがある程度賢い(微積分条件)⇨乗組員はじめ、地球のケネディ宇宙
センターの人々は賢いです。
その3グローバル・オプティマム以外のすべてのローカル・オプティマムの解が、最低
1人にとってのローカル・オプティマムの解でない(多様性条件)
⇨乗組員や管制センターのソルバー達の思いつく個々の解をローカル・オプティマム
とすると、それは、最低1人にとってのローカル・オプティマムの解でないことは
想像できます。
その4 大勢のソルバー候補からかなりの大きさの集団を選ぶこと
⇨映画の印象から、NASAの優秀な技術者だけで問題解決したのかと思っていたら、
関連情報を見てみると、
月面着陸船「アクエリアス」に関わった数千人の技術者たち、
ニューヨークにいた、アポロ宇宙船を実際に製作したグラマン社の技術者たち
ほかにも、「様々な、無名の技術者や、そのミッションに関わった全ての
ステークスホルダーが、何らかのできることを最大限に出し合って、解決された」
そうです。
そういう意味では、その4の条件を満たしています。
このアポロ13の生還とう想像を絶する困難な問題解決の実現は、
違う観点からより違う回答を積み重ねつづけたからだと言えそうです。
4つの条件が必要であることを理解する上での1つのわかりやすい例だと思います。
こちらの記事を参考にしました