今回の旅では、ヴェローナ、ミラノ、フィレンツェ、ローマ(ヴァチカン市含む)の4都市をまわりました。
美術館巡りが趣味なので、今回は鑑賞した数ある中から、
まずは特に印象に残ったミケランジェロの傑作ピエタ像の話をします。
もともとの計画では、ヴァチカンのサン・ピエトロで1つの作品を見る計画でした。
しかし偶然にもあと2つのピエタ像を観ることができました。
ミケランジェロが生涯に製作した4体のうち、なんと3体のピエタ像を鑑賞したことになります。
■ピエタ像とは
Wikiによると、ピエタ(イタリア語:Pietà、哀れみ・慈悲などの意)とは、
聖母子像のうち、死んで十字架から降ろされたキリストを抱く母マリア(聖母マリア)
の彫刻や絵の事を指します。
多くの芸術家がピエタを製作しており、中でもミケランジェロが1499年に完成させた
サンピエトロ大聖堂のピエタが有名だそうです。
■ミケランジェロの4つのピエタ像
じつは、帰国したあとにブログを書くために調べてわかりましたが、
ミケランジェロが作ったピエタは以下の4つだそうです。
- 『サン・ピエトロのピエタ』(1498年 – 1500年、サン・ピエトロ大聖堂)
- 『フィレンツェのピエタ』(1547年? – 、フィレンツェ、ドゥオーモ博物館)未完成
- 『パレストリーナのピエタ』(1555年? – 、フィレンツェ、アカデミア美術館)未完成
- 『ロンダニーニのピエタ』(1559年 – 、ミラノ、スフォルツァ城博物館)未完成
この内、4、3、1の順で3つも実物を観ることができました。
事前に知っていれば、全部見ることができてたでしょう。
まあ、次の楽しみにとっておきます。
■ミラノ:ロンダ二ーニのピエタ
予定ではその日は、スイスのツエルマットに電車でいくことにしていました。
ところが、天気予報で現地が悪天候と判明。
急きょ好天のミラノ市内を観光することにしました。午前中ブレア美術館のあと、
歩いてスフォルツア城を散策したときに、偶然城内にある博物館で展示していることが分かったものです。
上の写真はスフォツア城博物館です。
ピエタ像については、事前にBS放送の美術番組で知識はあり、中でも最後の未完の作品が、
作者の執念を感じて印象に残っていました。
その記憶に新しいピエタ像が展示してあることが、城内の看板の写真が目に入り、
さっそく妻と博物館に入場しました。
わりとこじんまりした広さの内部の中心に、ピエタ像がメインで展示してありました。
視力を失いながらも病に倒れる前日まで彫り続けたという彫刻への執念を感じます。
このピエタ像は、未完成でミケランジェロ最晩年の作品となりました。
キリストの足の部分がリアルですが、あとは荒削りでした。
キリストを抱くというより、逆にキリストが母を背負っているかのような印象を受けたます。
美術の専門家でもなんでもない一素人との自分にも何かを感じさせるところが
天才芸術家たる1つの条件なのでしょう。
■フィレンツェ:アカデミア美術館、パレストリーナのピエタ
実は、ダビデ象を鑑賞する目的で、アカデミア美術館にきました。
ところが、意に反して、「フィレンツェのピエタ象」と呼ばれるこの作品も観ることができました。
ダビデ像目的で訪問しました。ピエタ像があることは恥ずかしながら知りませんでした。
これも未完成です。確かにマリア様のお顔が未完成の状態でした。
キリストの足はほっそりしていながら、筋肉質な肉体が印象的です。
■ローマ内のサン・ピエトロ寺院内、サン・ピエトロのピエタ
サンピエトロ寺院のピエタ像も、妻は事前に見れることを承知していましたが、
私は訪問して初めて知りました
このピエタ像のみが唯一、ミケランジェロの完成品です。
1475年生まれですから、彼が23歳から25歳の時の作品です。
とても若くて水々しい作品に見えました。
普通我が子の遺体を抱く母を想像すると、とりみだして、悲痛な面持ちで
どうしたらよいかわからない様子を想像します。
このピエタ像をみると、深い悲しみを内に秘めつつ、我が子が犠牲になった
事実を受け入ているように見えます。
そればかりか、未来への多大な影響を予感するかのような
落ち着きさえ見て取れるました。
頭のなかに事前に見たTVの記憶があったので、良い体験をすることができました。
そのTVというのは、2017年BS-TBSで、6月13日(火)と6月20日(火)の夜に放映されてました。
「~中井貴一 ヨーロッパ大紀行II~ 世界を創った天才たちの素顔 ダ・ヴィンチvsミケランジェロ」です。
なぜかその中でのピエタ像のところが一番印象に残っていました。
■まとめ
ミケランジェロが生涯に作ったピエタ像3体それぞれの作品に込められた思いと
美しさを目の当たりにすることができて感激しました。
ミケランジェロのピエタ像を見てみるという体験もおすすめです。