ヴェローナの目玉は、今回の主要目的の1つである、アレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭での野外オペラです。
アレーナとは、3万人を収容できる、古代ローマの円形競技場遺跡です。
当代一流の演奏家、歌手、指揮者、演出家が出演することでも知られ、
あのマリア・カラスのイタリアデビューもこのアレーナだそうです。
演目は「アイーダ」です。壮大なスケールのオペラを楽しむことができました。
通常の室内オペラハウスよりも3倍は広いといわれているステージとステージ背後の
石段部分もフルに使って繰り広げられるストーリーと、音響効果抜群の環境での美しいハーモニーに魅了されました。
■いざアレーナへ
アレーナの開演は21:00、開場は20:00です。
日本での開演は19:00が一般的ですが、3時間以上のオペラの開演にしては遅い始まりに感じます。
ただ、ここでは20:00ではまだ日が照っていて、21:00でやっと薄暗くなってきますので、
ちょうど良いのかもしれません。
今年のシーズンは、6/23〜8/27までの2ヶ月あまりです。
演目は、ナブッコ、アイーダ、マダムバタフライ、リゴレットがオペラのメインです。
アイーダの開演日に合わせて、今回の旅行日程を組みました。
夜の8時近いのにまだ日が照っています。アリーナが輝いて見えました。
座席によって決められているゲートにいって、ネットで購入し、メールで送られてきた入場券をみせて、いざ入場。
1世紀ごろに建てられた、古代の競技場の客席へ向かう内部の入口を通るだけで普段と全く違う雰囲気で
ワクワクします。
指定席に着くと、11年前に来た時はもっと後ろの方の席でしたが、今回はステージから2、30m程度で
とても良く見えます。後方を振り返るとこんな感じでした。開演までまだ1時間近くあります。
大理石でつくられた階段状の石 音響効果は抜群で、歌手や合唱はマイク無しでとても良く響きます。
■あらすじと登場人物、当日のキャスト
あらかじめ、ストーリーをネットでしらべておいたので、物語もわかりやすかったので、
すんなり楽しむことができました。
英語の字幕が舞台の後方両再度に表示されているのもありがたかったです。
古代エジプトを舞台に、敵国の王女アムネリスの奴隷となっているエチオピアの王女アイーダ(ソプラノ)
アイーダと密かに愛し合っているエジプトの若き将軍、ラダメス(テノール)
ラダメスに思いを寄せるエジプトの女王アムネリス(メゾソプラノ)
エチオピアの国王で、アイーダの父アナモズロ(バリトン)
の4名が主な登場人物です。最後はラダメスが反逆罪の疑いで捉えられ死刑を宣告され
アイーダとともに生きたまま地下の石牢に閉じ込められ最後を迎えるという悲劇です。
キャストはイタリア語ですがこちらです。
■いよいよ開演
序曲が始まりいよいよ開演です。とても上手なオーケストラです。
ソリストの歌声も素晴らしいです。
毎年演出が変わり、今回は現代的な演出でした。私的には、オーソドックスな方を好みますが、
古代エチオピアとエジプトの物語と近代の乗り物を活用して
融合した演出も楽しめました。
サッカーで有名な凱旋の曲で、両サイドのトランペットのファンファーレはお見事で、
視覚効果も音響効果も抜群でした。
幕間にホースで舞台に水が注がれ、
次の幕てナイル川のシーンになり、船で歌う場面もあり大掛かりな演出効果が感じられました。
物語が進展する時間内に、太陽光の集光装置かとみられるばかりの、オブジェが組み立てられ、
最後のシーンの石牢となるところは、面白い演出でした。
幕間にはドリンクもあり、眠くならないように1杯だけの白ワインをいただきました。
パルメジャーノレジャーノがフリーでいただけました。
幕間の様子がこちら。私たちの席の後方です。
■終了後は余韻を楽しみながら徒歩で帰路
休憩も入れて終焉時間は夜中の1時ごろになりました。
帰り道は10分ほど、徒歩で帰路につきました。
オペラを見た人達もいたせいか、人通りはわりとあって、無事宿泊先にたどり着きました。
天候にもめぐまれて、念願のアイーダをヴェローナで妻と楽しむことができ大満足でした。
エキストラの方、合唱団も併せて数百人とみられる大人数と、近代的な電気を動力とする
象を模した乗り物や、砂漠の奥行のある背景を含めた空間で繰り広げられる
壮大なストーリーと音楽に魅了されました。割と前の方の良い席でしたが、持参した双眼鏡で、
ソリストの表情も良く観察できましたので、
これはおすすめできます。今年の4月のポールマッカートニーの日本公演の時に購入したものが、
ここでも役立ちました。
■まとめ
壮大な野外オペラを堪能しました。
音楽がお好きな方には、毎年6月から8月の夏の時期に行われるヴェローナ音楽祭を
是非1度は楽しまれてみてはいかがでしょうか。