東京六本木の国立新美術館で開かれていたミュシャ展に行ってきました。
ミュシャ展は、2017年3月17日から6月5日までの開催です。
■壮大な「スラブ叙事詩」に感動
ミュシャが1910年50歳の時に故郷のチェコに帰国して、約20年をかけて製作した大作です。
入り口から入るなり、その巨大さ(6メートル× 8メートル)に圧倒されます。
1枚1枚細部にまで神経が行き渡った描写が素晴らしいです。
描かれている農民たちの表情が、気持ちが読み取れるような生き生きとした描写でした。
パリ時代のアールヌーボーの時に花の柄を何百枚にわたってスケッチをしていたそうです。
BS放送でも紹介されていました。それが下地にあったのだと思います。
スメタナの「わが祖国」を聞いてそれにインスパイアされたとの事です。
祖国愛も感じられました。
侵略と独立の争いの悲惨さそれになすすべもなくたたずむ民衆の
苦悩と困惑の表情が感じられる重苦しい作品もいくつかあります。
そんな中、1番印象的な絵の1つは希望の光を感じさせる「スラヴ民族の賛歌」と
「スラブ菩提樹の下でのオムラジナ会の誓い」という
明るい雰囲気の絵です。
ハープを奏でる女性、ミュシャの娘とのことですが素敵です。
その女性の絵は後の博覧会のポスターにも使われてました。
この希望に満ちた絵に共感と安堵感を感じました。その感じはどこから来るだろうと考えていました。
20枚の絵はの苦悩に満ちた絵があったからこそ、それを乗り越えたとき希望の光と言うストーリーに共感したんだと気づきました。
■そのほかの作品
アールヌーボーの出世作や、後にプッチーニのオペラ「トスカ」の元になった戯曲のポスターが目に留まりました。
昨年たまたまプラハのミュシャ美術館を訪問する機会がありました。
アールヌーボーの作品は、イラスト的で綺麗な絵と感じましたが、正直今回のスラブ叙事詩ほどの
感激はありませんでした。しかも、その時はスラブ叙事詩の展示は無く、その存在も知りませんでした。
こうして一連の作品を見ると、華やかなパリ時代の先も膨大な花のデッサンに見られるように、
「スラブ叙事詩」につながる必然性を感じました。
その時に、プラハ市庁舎を訪れた時、天井画と壁絵もミュシャのが見所でしたが、残念ながら閉館時間を過ぎていて見れませんでした。
市庁舎の外観写真だけは撮りました。
それが今回の作品展示にレプリカですがありました。
見ることができたのはとても嬉しい偶然です。
■ミュシャ展の混み具合
私は連休初日の4月29日10時20分ごろに行ったんですが、意外とスムーズでした。
10分程度の待ち時間で入場できました。
草間彌生展と同時開催でした。
地下鉄乃木坂駅で降りたら出口近くでチケット販売していました。
草間彌生展と同時に見る場合、
割窓口で買えば2枚で3,200円のところ3,000で購入できました。購入まで並んだ待ち時間は約5分かかりました。
■まとめ
スラブ叙事詩の1連の作品には、苦悩乗り越え、独立の希望に溢れた人々の、
心が動かされるストーリを感じました。
機会があれば、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。