こんにちは。生涯挑戦!をモットーに新大人世代を応援する、こうちゃんです。
他の人の行動をこちらの思い通りに変えてもらうぐらいの影響力を持つことは、とても難しいことだと思うことはないでしょうか。
認知神経学を専門とし、University Colledge Londonの教授である著者によると、「他の人に影響を与えるには、『脳の働きを決定づける中心的要素』との一致が必要」と述べています。
何やら難しい表現ですが、事例を交えてわかりやすくその方法が示されていて、とても印象に残る本でした。忘れないようにポイントをまとめておきました。
知っているといないでは、他の人への影響力が変わってきそうです。学生、社会人、親など幅広い立場の人におすすめできる内容です。
■特に印象に残ったポイント
『脳の働きを決定づける中心的要素』とはどういうことかについて著者が説明している部分の引用です。
他人を変えようとする試みは、脳の働きを決定づける中心的要素と一致していなければ成功しない。本書の目的は、それらの要素(事前の信念、感情、インセンティブ、主体性、好奇心、心の状態、他人)を明確にし、各要素が人にどのような影響を与えるのかを知ることだった。生物学の原理、行動学のルール、心理学の理論を覚えるのは楽ではない。でも、物語や構想やキャラクターなら心に刻み込まれるだろう。それらが奏でる情緒豊かなストーリーは、すんなり理解できて思い出すのも簡単だ。
ということで、人が行動を変える時のポイントについてストーリーを交えて興味深く語られているため、印象に残りやすかった。
特に印象に残ったポイントを5つにまとめてみました。
①苦痛よりは、すぐに得られる、ちょっとした報酬を与える
②人は自分のプラスになると信じる人間や物や出来事には接近し、
マイナスになると信じる人や物は回避する:「接近と回避の法則」
③相手が主体的に動くような環境を作り、コントロール権や選択権を与える。
④相手の是非を否定したり、希望を失わせるのではなく、相手が心から知りたいと思う情報を提供する
⑤相手がリラックスしているときより、相手が不安に思っていたり、ネガティブな事を感じをもっていたりするときの方が、異なる意見に左右されやすくなる
■それぞれのポイントが奏でるストーリー
①苦痛よりは、すぐに得られる、ちょっとした報酬を与える
スポーツジムに通う夫と妻の例がわかりやすいです。ジムに行かないと病気になると脅すのではなく、ジムに行ったことで、「鍛えた筋肉が素敵」と毎日褒めることで、夫が自主的に通うようになったという話です。
②人は自分のプラスになると信じる人間や物や出来事には接近し、マイナスになると信じる人や物は回避する
クラウドファンディングの例で、同じ資金調達内容でも、日差しを浴びて生き生きと輝くしあわせそうな若い女性(しかも高額な治療費を必要としている)の写真が掲載されている方が、病院のベッドにぐったり横わかった男性の写真が掲載されている方より資金が多く集まったそうです。
③相手が主体的に動くような環境を作り、コントロール権や選択権を与える。
老人施設の例がわかりやすく、コネチカット州の介護施設で、自分のことは自分で責任をおつフロアの老人の方が、全てお任せで世話をしてくれるフロアの老人よりも幸福を感じ、健康で長生きしたそうです。
④相手の是非を否定したり、希望を失わせるのではなく、相手が心から知りたいと思う情報を提供する
機内安全ビデオは、航空会社から見て重要な伝えるべき話でも、乗客から見ると面白くないので、ほとんどの人が聞いていない。そこで、恐怖心を喚起するメッセージではなく、素敵な旅の目的地に焦点を当てた安全ビデオにしたところ人気がでたということです。
⑤相手がリラックスしているときより、相手が不安に思っていたり、ネガティブな事を感じをもっていたりするときの方が、異なる意見に左右されやすくなる
相手が平穏無事でリラックスしている時よりも、不安に思っていたり、パニック状態になっている時には、説得する側の意見が極端だったとしても、それに従い安い傾向があるようです。
確かに、歴史的に振り返って見ると、室町とか江戸時代とか将軍継承の間で空位の時期つまり人々がリラックスできてないときに急進的な人の意見が通ってクーデターが易かったこともこの要因と思われます。
「知ってると得する〇〇」よりは「知らないと損する〇〇」という表現の記事ほうが、同じ内容でもクリックされやすいという話を聞いたことがありますが、不安を煽ることで行動を起こしやすいという例です。
■まとめ
「事実はなぜ人の意見を変えられないか」から他の人を説得するのに役に立ちそうな考え方のエッセンスをご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。