こんにちは。生涯挑戦!をモットーにシニア世代を応援する、こうちゃんです。
自然に触れているとなぜか気持ちも落ち着いて幸せな気分になる。というのは誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
その「なぜか」を科学的な実験結果を引用し、著者自らの研究者への取材を通して解明した本です。
米国内はもちろん、日本、北欧、韓国、シンガポールなど世界中の自然に触れるという研究者との実験に参加した体験も多く語られています。
■「NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる」の概要と特に印象に残ったポイント
この本の全体構成はこのようになっています。
プロローグ─戸外の大気は人を元気にする強壮剤
PART1 「ネイチャーニューロン」をさがして
PART2 最初の五分間──身近な自然
PART3 一か月に五時間──自然に触れる習慣で変わる
PART4 三日間──大自然が脳に与える効果
PART5 庭のなかの都市
エピローグ
特に印象に残ったポイントをまとめると以下となります。
PART1
・自然に触れることで、病原菌から人体を守ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が増える。
3日間2〜4時間の森林浴で40%も増加。
PART2
・韓国の森林を3年間毎日心穏やかに歩き続けたところ、慢性骨髄性白血病が完治した。自然には治癒力がある。
PART3
・都心で過ごすより、公園や森で過ごすと客観的な測定値でストレスホルモンのコルチゾール値が減った。ネガティブな感情も減り、創造性も上がった。
・自然の中で過ごす時間が長ければ長いほど健康増進効果が高くなる。1日30分の散歩が理想だが、1か月に5時間以上でも効果ある。
・2015年の「アメリカ予防医学ジャーナル」での報告によると、自然豊かなレクリエーション施設で暮らす人たちの精神の健康状態が悪い割合はそうでない人たちより40%低かった。
PART4
・多くの教会が音楽、聖像や絵画、高く大きな建造物を重視しているのは「畏敬の念」を抱くからで、荘厳な美が人間の想像力と心眼を広げる。大自然も同じ力がある。
自然に触れることで、NK細胞が増え、コルチゾールが減るということが実験的に確かめられたことはとても興味深いです。
スポーツジムでベルトの上でウォーキングするよりも、自然豊かな川沿いを歩く方が気持ちが良いし、気持ちが落ち着く理由がわかった気がします。
NK細胞が増えるということは免疫力向上にも繋がりそうで、今の時期には有効かもしれません。
もう1つ興味深いのは、畏敬の念を抱くことが「人間の想像力と心眼を広げる」というところです。
イタリアミラノ、フィレンツエ、ローマなどの大聖堂や米国のグランドキャニオンを訪れた時に感じた気持ちに「畏敬の念」という共通点があることに気づきました。
■「NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる」から行動に移したいポイント
行動に移したいポイントは:
・日々のウォーキングでは、街中よりも自然が多い場所を選ぶ
・家に籠る時間が多くなりがちであるが、戸外で過ごす時間をできるだけ持つ
都心にお住まいの方は、公園などを意識的に選ぶと良いかもしれません。
多くのことを学びましたが、行動に移したいポイントはもちろん「自然と触れる時間を積極的に持とう」の一言に尽きます。
脳にも精神にも免疫力の面でも効果があることが実験的にも確認できていることがわかったので、実践していきたいと思いました。
■著者について
本書からの引用です。
フローレンス・ウィリアムズFlorenceWilliams作家、ジャーナリスト、ジョージ・ワシントン大学客員学者。『アウトサイド・マガジン』の編集に携わるかたわら、『ニューヨーク・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』『ナショナルジオグラフィック』などに環境、健康、科学をテーマとした記事を寄稿。デビュー作『おっぱいの科学』(梶山あゆみ訳、東洋書林、2013年)は、ロサンゼルス・タイムズ・ブック賞(科学技術部門)を受賞し、『ニューヨーク・タイムズ』紙の「今年注目を集めた100冊」にも選ばれる。
■まとめ
フローレンス・ウィリアムズ著「NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる」の読書メモを紹介しました。
NK細胞の増加、コルチゾールの減少、精神的な安定、創造性や思考力の向上など、自然には思ったより多くの効果があることがわかりました。
ぜひ自然に触れる時間を意識してとってみてはいかがでしょうか。参考になれば嬉しいです。