副題は、「人を動かすアイデアのつくり方」です。
著者は松村真宏氏です。
「仕掛学」とは何かは、副題の方がイメージがつかめますね。
筆者は、問題解決の手段として、データやコンピュータに頼るのではなく、
生活空間の魅力に気づかせる「仕掛け」を利用すべきと述べています。
行動によって問題は解決します。
思わず行動したくなる「仕掛け」を仕込むことで問題解決につながる。
例として、背表紙の線や、バスケットゴールのついたゴミ箱があります。
そんな「仕掛け」の仕組みを解説した本です。
心に残った点
■仕掛の3つの定義
定義する3つの要件とは
・公平性 (Fairness) :誰も不利益を被らない
・誘引性 (Attractiveness) :行動が誘われる
・目的の二重性 (Duality of purpose):仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる
このFAD案件を満たすものを仕掛けと定義されています。
■仕掛の基本
以下の基本となる仕掛のポイントがあります。
・行動の選択肢を増やす
・行動を上手に誘導する
・結果的に問題を解決する
■仕掛の分類
図に示すように分類されています。
解説しておくべき言葉は
フィードフォワード:人が行動を起こす前に、仕掛けから人に伝わる情報のこと。
アナロジー:物事の類似性のこと。トイレの的は、的を見ると狙いたくなる類似性を利用している。
アフォーダンス:見ただけで使い方がわかる「物の特徴」のこと。 例えばイスを見ると座れることがわかる。
■仕掛の発想法
7つに区分した発想法が紹介されています。
・子供を観察:子供のような好奇心が必要
・行動観察:大人の行動を観察することからもヒントがある
・要素の列挙と組み合わせ:アイデアは既存の要素の組み合わせから生まれる。ので要素を普段から列挙しておく。
・仕掛けの事例を転用する:すでにある仕掛けのアイデアを他に転用する
・行動の類似性を利用する:「投げる」「しまう」「入れる」などのキーワードに関わる行動を列挙してみる。
・仕掛けの原理を利用する:分類された原理の組み合わせや要素の追加をして見る
・オズボーンのチェックリスト:
1他の使い道は? 2他に似たものは? 3変えて見たら? 4大きくして見たら?
5小さくして見たら? 6他のもので代用したら 7入れ替えて見たら 8逆にして見たら
9 くみあわせて見たら?
■行動に置き換えたい点
仕掛けの定義、と基本、発想法が整理されて紹介されています。
これらを理解して、今後の問題解決や、新しいアイデアの発想に活用していきたいです。