読書メモ

「心を整える8つの脳開発プログラム!」アルボムッレ・スマナサーラ著の読書メモ

こんにちは。生涯挑戦!をモットーにシニア世代を応援する、こうちゃんです。

心の悩みの原因を理解して、悩みを一掃し穏やかな気持ちで幸せな人生を送りたい。というのは誰しも望むところです。

この記事では、そんな方におすすめの本「心を整える8つの脳開発プログラム!」の内容で心に響いたポイントを紹介します。

悩みのメカニズムを知り、脳内の神経回路を書き換えることで、心の乱れや悩みをなくすための8つのプログラムが紹介されています。

■悩みのメカニズムとは

この本は、仏教の精神と脳科学とを結び付けて悩みから解放されて幸せに生きるにはどういう考えかたをもって、行動していけば良いかが書かれています。

近年の脳科学でわかってきたことの重要な知見の1つに、「いくつになっても脳の神経は増える」という話があります。

本書でもこのように述べられています。

脳細胞はplasticであって成長します。しかも、死ぬまで成長しよう、成長しようとがんばっている部品なのです。

ここは同感で、シニア世代にとっては、ある程度の年齢を過ぎると脳は衰える一方と考える人も多いと思われます。私もそう思ってましたが、それはこちらの本を読んで間違いとわかりました。

上記の本でも脳の神経回路は死ぬまで書き換わるということでした。

さて、本書で主張されている、悩みのメカニズムとは原始脳と大脳の関係性にあります。

・古い脳(old brain)は「原始脳」とも呼ばれるもので、生まれる前に配線されて出来上がります。原始脳は「無智」をベースに、「存在欲」と「怯え」だけではたらきます。
・新しい脳(new brain)は、「大脳」のことです。大脳は、生まれてから徐々に配線されます。

原始脳の感情が大脳を刺激して大脳を動かします。つまり、大脳の発達は原始脳の刺激によって管理されます。

悩みの原因は原始脳と大脳の葛藤に起因すると筆者はのべています。

どういうことかと言うと、

大脳はいつも原始脳の自己中心的な要求に従わざるを得ないため、頑張るけれども、現実はそうはならない。そのため大脳が葛藤するといことです。

では大脳と原始脳の葛藤から解放されるのかが知りたくなります。

著者によると、「大脳が主導権を握るようにすればよい」がその答えです。

“精神的な問題や葛藤から自由になるためには、下から上に、つまり、原始脳から大脳に信号が行くようになっている配線を、新しく配線し直さなくてはいけません。まるっきり新しい配線を作るのです。大脳の、見る、聞く、判断する、データを調べるというところから、きちんと判断して原始脳へ行くように、上から下へ行く配線システムを作るのです。”

そのためにどうするかの具体的な方法が8つの脳開発プログラムというわけです。

■悩みを一掃する8つの脳開発プログラムとは

8つの脳開発プログラムとは以下です:

“①鵜呑みにする癖をやめる
 ②思考、妄想を管理する
 ③言葉を管理する
 ④行為を管理する
 ⑤仕事を選ぶ
 ⑥努力する
 ⑦目覚める
 ⑧集中力をつける”

それぞれ簡単にポイントを要約しておきます。

①鵜呑みにする癖をやめる

鵜呑みにするのも、自分を尊い存在と思う「自我」も原始脳から発生する感情だと筆者は言います。

自我を肯定する話なら、根拠を調べることもせずに鵜呑みにしてしまうので、そのくせをやめることが大脳開発につながるといいます。

そのためのポイントが3つ紹介されています。

”・データを調べて判断する
 ・客観・主観とも意見を決めつけない
 ・達した判断を定着させない(新たな情報で書き換えの可能   性も視野に入れておく)”

情報を鵜呑みにしないで、その根拠となるデータを調べることと、一度決めた判断でも、将来新説がでることもあるので柔軟さを持つと理解できます。

②思考、妄想を管理する

無意味で無駄な思考をする時間を無くすことです。

“・妄想の危険性を知る
 ・思考を清らかなものにおきかえる
 ・置き換えは根本からの治療
 ・善思考を理解する
 ・悪思考を避ける
 ・行動より思考が優先”


善思考とは慈しみの思考のことで、例えば、
「生きとし生けるものが幸せでありますように」というフレーズを念じることです。仏教用語で慈しみには

「慈」「悲」「喜」「捨」という四種類があって、どれか1つでも実践することが推奨されています。

ここで「捨」とは感情の波が立たない平常心のことだそうです。

③言葉を管理する

言葉が悪いと大脳が乱れていることなので、言葉を意識して管理することです。

“・役立つ、美しい言葉を使う
 ・悪い言葉を発見する
 ・善い言葉とはどんな言葉か、理解する”

言葉を知ってるだけではダメで、ストラディバリウスの様な良い楽器を持っていても弾きこなす必要がある様に、言葉も上手に使うことが大事というところはわかりやすい例えでした。

④行為を管理する

行い、身体の管理ことです。

“・自制はよい脳の訓練
 ・行為の置き換えと自制は違う
 ・二つの完璧な行為管理プログラム”

ここで筆者が言う二つの完璧な行為管理プログラムとは
 1)殺生、2)偸盗(盗み)3)邪な行為(邪淫)の3つをやめることと
 「自分の行為は他人の役に立たなければならない」と決めて実行する

ことです。

⑤仕事を選ぶ

生計を立てるための行為の意味での仕事を選ぶことです。

“・やるべきでない仕事は避ける
 ・高収入につられない
 ・仕事も三つの禁止行為と照合する”

三つの禁止行為とは1)殺生、2)偸盗(盗み)3)邪な行為(邪淫)の3つです。

⑥努力する

頑張ること。人生のすべては努力によって成り立つと筆者は言います。ここは個人的には鵜呑みにできない部分もあります。

“・神を持ち出すのは怠け思考
 ・努力を趣味にする
 ・大脳を直接開発する努力をする”

⑦目覚める

単に目が覚めているという意味ではなく、気づくことです。

“・今に目覚めて生きる
 ・「今」は簡単でおもしろい
 ・愚か者は蜃気楼を追う”

今この瞬間を大事にするという考えはとても共感します。

⑧集中力をつける

何をする場合でも集中すること。ここも同感です。

“・集中力は脳の喜び
 ・集中力をつけて喜びを実感
 ・大脳を育てる集中力”

■行動に移したいポイント

この本全体を通して、人は多かれ少なかれ悩みを抱えていると思われます。

その原因が「原始脳と大脳の葛藤である」という部分は、なるほどそういう見方があるのかと感心しました。

8つのプログラムの中で特に共感する部分は以下で、行動に移したいと思いました。

①鵜呑みにする癖をやめる
②思考、妄想を管理する
③言葉を管理する
④行為を管理する
⑦目覚める

■共感できなかった部分

全体を通した著者の主張において、原始脳と大脳の二元論で割り切るのは無理があると感じました。

特に以下の著者のコメントには違和感を感じます。

ちなみに、私は音楽を聴いたり、映画を観ても、「楽しい」とはなりません。なぜかというと、分析して聴いたり観たりするからです。音楽なら、楽器を別々に頭で分析して、「この楽器は、この音」「あの楽器は、あの音」というふうに調べるので、ものすごく忙しくなってしまいます。映画などは、場面ごとに撮影したシーンを次々とつなげているでしょう?それらを私は分析して観ています。すると、監督とのやりとりや照明の当て方など、作り方がぜんぶ見えてきます。「これはちょっとインチキじゃないかな」「これはこう工夫したのではないかな」などと、考えながら観ます。このように、大脳を使った集中は、脳をフル活用して能力をめいっぱい発揮するものなのです

原始脳=悪 管理された大脳=善と決めつけられない部分があると思います。

それは、右脳で感じるアートの世界です。
世の中の芸術作品、絵画にしろ文学にしろ音楽にしても、論理的思考だけでは論じられない感覚的な喜びや、内に秘めた感情の表現であったりします。

そこが人々に共感を呼び、感動を与えるのです。

著者は左脳型の論理分析の傾向が強い人と見受けられます。右脳型と左脳型どちらがどうというわけではありません。

ここは原始脳の感覚的な部分も全てが悪というわけではないし、悩みを100%除去できるものではないと考えています。

もう1つは「努力する」「がんばる」というところです。たしかに努力は必要ですが、やみくもに間違った方向で努力するのは少し違うと思います。

たとえば、ブラック企業に勤めて、心の叫びを無視して頑張ることは、心身の健康を害する恐れがあります。

自分の好きで得意な分野、時間を忘れるぐらい夢中になれるような方向を探るべきと考えています。

この様に共感できない部分を明記しておくことは、著者の言う脳開発プログラムの「鵜呑みにしない」という部分を行動に移したことにもなります。

悩みの根源である部分の、原始脳と大脳の葛藤という視点は、納得できたので、気持ち的に自分や他の人に害になるような悩みの部分をで少しでも減らす考え方を持って行動していきたいと思いました。

■著者について

本書からの引用です。

アルボムッレ・スマナサーラAlubomulleSumanasaraスリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。一九四五年四月、スリランカ生まれ。一三歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとったのち、一九八〇年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程で道元の思想を研究。現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事。メディア出演や全国での講演活動をつづけている。著書に『ブッダの実践心理学』(藤本晃氏との共著)『怒らないこと』『怒らないこと2』『怒らない練習』『ブッダの聖地』(以上、サンガ)、『心がスーッとなるブッダの言葉』(成美堂出版)、『執着の捨て方』(大和書房)など多数ある。

■まとめ

「心を整える8つの脳開発プログラム!」アルボムッレ・スマナサーラ著の読書メモとし、共感したところとできなかったところをまとめました。

悩みの根源が、原始脳と大脳の葛藤というところはなるほどそうかと納得したので、8つの脳開発プログラムで共感したところを行動に移していきたいです。

以上参考になれば嬉しいです。

ABOUT ME
こうちゃん
●このブログについて 2017年4月にこのブログを開設しました。 人生100年時代といわれています。 アクティブシニアという言葉は65歳~75歳を指して言うらしいですが、 それより若い世代は、「新大人世代」というそうです。 http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/26938 アクティブな新大人世代を迎えている人達を応援しつつ、 自分自信も生涯挑戦をモットーとし、成長マインドセットをもって 価値のある情報を提供していくことを目的としています。 ●ミッション: ・健康維持、家族の幸せ、少しでも他の人に役に立つことをする ・本、旅、芸術、仲間に会うこと等からの学びをインプットして、  日々0.2%の成長を目指します。 ・体験し、学び、感じたことをアウトプットし、新大人世代を中心に価値のある  情報発信を目指します。 ●趣味 ゴルフ/ウォーキング/筋トレ/瞑想/読書/料理/美術鑑賞/旅/室内楽演奏 ●仕事 2016年4月に還暦を迎え、2nd Lifeがスタートしました。 某研究機関で翻訳の仕事をしています。 1stライフでは、企業でエンジニア、マネージャーを経験しました。
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